【南瓜の煮物をアナタと一緒に】番外編〜共鳴〜(3)







 陽光射し込む中、ゲンマはもそりとベッドから起き上がり、頭を掻く。

「何だったんだ? 今の夢・・・」

 隣にいたも、考え込みながら起きてきた。

「おはよー、ゲンマさん。何かおかしな夢見てたよ」

「オマエもか? オレも変な夢見てた」

「え、まさか同じ夢?」

「ん〜、ちっこいガキの頃のと遊んでる夢」

「私は、ちっちゃいゲンマ君と遊んでる夢だったよ」

「同じって訳でも違うって訳でもねぇな。何かの予兆か?」

「ミニゲンマ君のお誕生日お祝い出来なかったなぁ・・・」

「あ、オレも誕生日祝いの前だった」

「もうすぐゲンマさんお誕生日でしょ? 忙しくてもちゃんとお祝いしなさいっていう忠告かなぁ。まさか今年はお祝い出来ませんっていう予兆? や〜ん」

 あ、とは何かを思い出したように、タンスの引き出しを開け、中を漁った。

「え〜っと、確か此処にQのTシャツが・・・あった!」

「Q? まさか、オレってゆ〜ヤツか?」

「夢の中でね、“ゲンマ君用”って裏に書いてたの。もしかしたらって・・・」

 恐る恐る、は裏返す。

 其処には、シッカリと“ゲンマ君用”と書いてあった。

「え・・・どういうこと?」

「ち、ちっと待て。確かエルナの部屋に・・・」

 ゲンマは慌ててベッドを降り、部屋を出て行き、ゴソゴソと漁る。

「どうしたの、ゲンマさん」

「お絵描き帳があった筈なんだ。もしかして・・・」

 恐る恐る開くと、Qや緑やオレンジの物体、花嫁と花婿の絵などが描かれていた。

 沢山の“Q”。

「ちっと待てよオイ・・・どういうこった?」

「ねぇゲンマさん、ホントに夢だったのかな。正夢って言うにはおかしいよね? 実際有り得ないよね?」

 はっ、とゲンマは気付く。

「はい?」

「最終生理、いつだった?」

「え? え〜っと・・・あ!」

 ゲンマとは顔を見合わせる。

 脳裏に浮かんだことは、ゲンマもも、多分同じ事。

 朝食を摂ると、2人は病院に向かったのだった。











 END.











 ゲンマさんお誕生日おめでとう。

 なのにおかしな話でゴメンよ。

 去年の番外編の誕生日夢の1年後です。

 本編ではもう少し先のお話でした。